はじめに
今最安で買えるフルサイズデジタル一眼レフ、Canon EOS 5Dをレビューしていこうと思います。
入手したのは、2017年。
既にサポート期間としてはギリギリだった覚えがありますが、Canonのサービスセンターに持ち込んで、シャッター数6000くらいの良個体でした。
Canon EOS 5D 基本情報
発売年 | 2005年 |
シャッター | 1/8000-30秒 |
フォーカス | 9点オートフォーカス |
センサー画素数 | 約1280万画素 (Canon製) |
画像エンジン | DIGIC II |
ファインダー視野率 | 約96% |
モニター | 23万画素2.5インチTFT液晶モニタ |
販売年 2005年について
日本では、
・郵政民営化
・愛知万博
・JR福知山線脱線事故
・アスベスト問題が騒がれる
などがありました。
先日紹介したフィルムカメラと違って、すごく最近の事に思われるかもしれませんが、
既に20年近く前の話です。
このカメラも、オールドカメラに片足を突っ込みかけているのです。
当時の価格について
発売当時の販売価格は、378,000円。
フルサイズ一眼レフの中では、革命的な安さでした。
※Canon EOS 5D初代の発売より前は、100万を超えるようなプロ用の機材にしか、35mmフルサイズセンサーは搭載されていませんでした。
当時、デジタルカメラはまだまだ黎明期で、まだフィルムカメラ優勢な市場がありましたが、
当カメラの登場によって、フィルムカメラと同じレンズが、同じ画角で使える革新的なデジタルカメラとして人気を博しました。
これにより、デジタルカメラの市場が一段と盛り上がったのでは、と思います。
Canon EOS 5D 初代 (Classic) レビュー
操作系など
基本的には通常の一眼レフと大きな違いは無いのですが、一点気にしないといけないのが「ISOオートが無い」こと。
AV(絞り優先)やTV(シャッター速度優先)いずれにしても、ISO感度は固定です。
つまり、明るさに応じて常にISOをマニュアルで変更しつつ撮影する必要があります。
これは、フィルムカメラをメインに使っているような人(つまり、2005年当時の人)からすると、特に気にならない仕様だったと思いますが、最近のデジタルカメラを使う人からすると、使いづらいのでは、と思います。
フィルムは撮り終わるまでISOを変更できません。
ISO感度を都度変更できるということだけでも、当時は価値が合ったのです。
本体のデザイン
バッテリーについて
Canon EOS 5Dは未だに根強い人気を誇っており、互換バッテリーは出続けています。
中古カメラの課題としてバッテリーの廃盤がありますが、現時点では安心して問題無さそうです。
Canon EOS 5D 初代の良いところ
中古相場最安のフルサイズセンサー搭載機
2万円程度の価格でフルサイズセンサーのデジタルカメラが購入できる事に、非常に価値があります。
フルサイズセンサーは通常非常に高価で、新品で買うと15万以上することもザラです。
中古で、Canonのサポートが終了したからこそ、価値がどんどん落ち込んで現在の価格になっています。
レンズの球数がとても多い
CanonのEFレンズは、非常に息が長くフィルム時代から現代の最新レフ機に至るまで、同じマウント、同じ電子接点でレンズが使えます。
また、近年はCanonもミラーレスに舵を切っている影響で、EFレンズの価格がかなり下がってきています。
球数も多く、価格も安いEFレンズ群を利用できます。
フィルムライクな色合いで映る
フィルム全盛期に出たデジタル一眼レフでした。
当時、フィルムをメインで使っていたプロ向けにも訴求していた製品なので、フィルムの色合いに近い調整がなされていたと考えられます。
実際に撮影すると、味のある色合いだったり、ノスタルジーに写ることが多いと思います。
背面液晶の画質が極めて悪いことも併せて、デジタルカメラというよりは、フィルムカメラに近い感覚で撮影できます。
現像=帰ってPCの画面に表示する まで本当に良い写真が撮れたかわかりません。
Canon EOS 5D 初代の良くないところ
全体的にレスポンスが悪い
流石に20年近く前のカメラなので、画像をプレビューする時は、レスポンスが良いとは言えません。
ただし、Nikon D70等の昔の中級機と比べると、まだましです。
背面液晶の解像度が低すぎる
背面液晶の解像度が低いため、ピントが合っているかの確認が困難です。
等倍まで拡大すれば見ることはできますが、相当拡大が必要になります。
また、背面液晶の品質もあまり良くなく、
露出の確認はヒストグラムを使って確認した方が良いと思います。
サポートが終了している
Canonのサポート期間はとっくに過ぎているため、故障したら終わりです。
また、ミラーに持病も持っているため、購入時は対策品かどうか気にする必要もあります。
作例
撮影機材
Canon EOS 5D 初代 (Classic)
CANON EF28-135mm F3.5-5.6 IS USM
1998年発売の古いズームレンズです。
当時、5Dと一緒に使われていた一般的なレンズだと思うので、当時の感覚を味わくべくこちらを選択しました。
作例
解像感も、1200万画素以上あるので十分です。
ピントの合った面はきちんと写ります。
有楽町ガード下です。
古い街並みも残る撮影市街のある場所です。
撮って出しだと、こんなに黒つぶれしてしまっていますが、RAW現像でここまで救えます。
しかし、相当カラーノイズが乗りますね。
少し味のある写真になりませんか。
こちらも撮って出しですが、RAW現像で増感してみました。
この辺りが限界でしょうか。
夜撮影するのでれば、ISOが上げられないので明るいレンズがよろしいかと思います。
日中困ることはまずありません。
Canon EOS 5D 初代におすすめなレンズ
Canon EOS 5D 初代 + EF50mm F1.8 STM
Canon EOS 5Dと一緒に、EF50mm F1.8 STMはいかがでしょうか。
フルサイズなので、50mmの焦点距離がそのままの画角で使えます。
また、フィルムカメラでも標準的なレンズとしてよく採用されており球数も多いため、50mm単焦点に慣れておけば、別のカメラでも潰しが効きます。
さらに、ISO感度が低いことも、そもそも明るいレンズを使えば問題になりません!
Canon EOS 5D 初代 +TAMRON SP AF28-75mm F2.8 A09E
サードパーティー製ですが、人を撮るならこちらもおすすめです。
全域でF2.8の明るさで、28-75の標準域から中望遠手前までをカバーした焦点距離。
プロがポートレート撮影で使っていた実績もあります。
(魚住 誠一 氏)
よく売れただけあって、中古相場もお安く、おすすめのレンズです。
最後に
個人的には、撮影後のRAW現像は必須。
暗いところに暗いレンズではどうしようもありません。
しかし、これはフィルムカメラでも同じこと。
要するに、デジタルで撮影できるフィルムカメラだと思って撮影すれば、不便さも愛嬌になってくるかと思います。
何より、Canon EOS 5D 初代(classic)でしか出ない色や写りがあるのです。
フィルム時代とデジタル時代の狭間を生きたCanon EOS 5D初代。
今では中古で1万円台から販売されています。
みなさまも、是非おひとつ、いかがでしょうか。
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